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第四章

<K.G 作>
〜美しき友情〜




僕とニッキーは、ゴールニックの屋敷に入る。
「ここが私の家。いらっしゃい☆」
「お邪魔します。」
僕とニッキーはリビングに案内された。
「さて、君は何を知りたい?」
グリーはソファに腰掛け、僕にそう尋ねた。ナナミは退屈そうにしていたので、ニッキーに任せた。
「さ〜って何しようか?ナナミちゃん。」
ニッキーはおおはしゃぎである。しかし、ナナミは
「私、ここにいる。」
ナナミはグリーの横に座る。ニッキーはかなりがっかりした様子・・・。僕は質問した。
「なぜあんな防御システムを作ったんですか?あれで僕の仲間の大半が・・・。どうしてなんです!?」
グリーはこう言った。
「私はこの国を守る為に作ったんだ。敵の手に渡る事など誰が想像するかね。」
「あなたは何も分かってないんです。この国にもタルキに味方するグループは沢山ありますよ。あなたに  はもう少しそういう事を理解して作って欲しかった。タルキに渡らなければ僕の仲間ももしかしたら・  ・・。」
「確かにそうかもしれない。だがあれで助かった命もある。それにそんな事を考えている余裕もないだろ  う。それは君も分かっているはずだぞ、ルイス=マクレンガー君。」
戦争はそんな事をのんびり考えている時間すら与えない。一瞬で命が奪われ残酷という一言では決して言 い切れない地獄・・・。その中にこの二国の国民はいる。
「ねぇ、ルイス君ってタルキの人なの?」
ナナミが僕に尋ねてきた。僕が答えようかと迷っていると横から
「オレは生まれも育ちもタルキだぜ。」
ニッキーが割って入る。
「私はルイス君に聞いてるの。」
ナナミに怒られたニッキーはまたもやがっかり・・・。
「僕は・・・。」
その時だった!!低い音がこっちに近づいて来る。
「こ・これは!!グリーさん!!ナナミと一緒に地下に隠れて下さい!!」
僕はそう言い放って家から外に出た。ニッキーも僕に続く。
「あ・あれって!!」
ニッキーも知っている空飛ぶ艦・・・。
「ああ。ここまで領空を侵して来やがった。」
飛行戦艦はこの家の上に停止する。確実に狙いを定めたようだ。
「ニッキー走れ!!僕はあれを何とかする!!」
「えっ?お前にあれがどうにか出来るのかよ!?」
「やってみるさ。奴らの狙いはこの僕だ。ニッキーは逃げてくれ。僕といると君も巻き込んでしまう。」
僕はニッキーにそう言って上を見上げ考え始めた。しかし、ニッキーは動く気配がない。
「早くしろよ!!死にたいのか!?」
その瞬間僕はニッキーに殴られていた。
「えっ・・・?」
「かっこつけるなよな。お前ばっかりよ!!」
「ニッキー・・・。」
「オレはルイスとタルキを出た時から死ぬ覚悟はできてる。いや、会った時からだな。正確には。」
「で、でも!!」
「デモもカモもあるかよ!!オレだってお前の役に立てるはずだぜ。」
「ごめん。僕、ニッキーの友達だもんね。」
「当たり前だろ。ちったぁ頼ってくれよな。」
ニッキーは手を差し出す。僕もそれに応えた。二人は握手をする。
「頑張ろうぜ。これからよ!!」
「うん。そうだね!!」
そして、二人で飛行戦艦を引き付ける。飛行戦艦は100mm双射砲で僕達を追う!!
「とにかくラインスパークを出るぞ!!」
「ああ!!」
僕達はラインスパークを出て東へ走る!!飛行戦艦もゆっくりと追ってくる!!
「これじゃこっちがばてて死んじまう!!何とか奴に反撃する術はないのか!?」
「ここからじゃ何も当たらないよ!!」
結局逃げるだけになってしまう。10分ほど走ると目の前に町が見えて来た。
「やばい!!また町だ!!このままじゃラインスパークを出た意味がない!!」
「どうする!?この辺りをウロウロ逃げ回るわけにはいかねーし。」
僕は焦った。今戻ろうとすれば飛行戦艦に狙われるし、進めばあの町に入って被害が大きくなる・・・。
「ニッキー・・・。被害を最小限に抑えよう。」
「しかし、それじゃぁ・・・。」
「ニッキー。僕は沢山の人を巻き込みたくない・・・。だから・・・。」
僕は覚悟を決めた。飛行戦艦から確実に狙える位置に移動する。
「ルイス・・・。」
「ニッキー、これからの事を頼む。」
「オレも一緒に逝くぜ。」
ニッキーが僕の横に並ぶ。
「ニッキー!!それは・・・。」
「お前だけにさせはしない。オレはお前の親友だろ?」
「ごめん。付き合わせて・・・。」
「いいって事よ。まぁあの世で逢えるといいな。」
最後までニッキーは笑顔を絶やさない。僕も笑った。そしてその時がやって来る。
「さて、お別れだ。ナナミちゃん。元気でな・・・。」
僕達は目をつぶった。飛行戦艦が止まり、砲身をこちらに傾ける音が響き渡る。風がこんなに爽やかなん だとその時に気付く。こんなに自然を感じたのは初めてかもしれない。様々な事を考えた。それにしても 遅い・・・。最後の瞬間を楽しめという事にしても長すぎる。
「ル・・。おい・・・。・イス。目を・ませ!!」
遠くの方でニッキーの声が聞こえる。
「早く逃げるぞ!!ルイス目を覚ませ!!」
はっきりした声が聞こえた。僕はとっさに我に返った。
「えっ・・・。ここは?」
「ルイス!!起きたか!?急いで逃げるぞ!!」
「どうして?何があったんだよ?」
「あとで説明する!!今は走れ!!」
僕はルイスに言われるまま走る。少し走ると後方であの飛行戦艦がゆっくり落ちていた。
「えっ・・・?飛行戦艦がやられてる?」
「どうやらそのようだぜ。ラインスパーク方面から砲撃があったみたいだ。」
「まさか・・・。」
「ああ。可能性は高い。きっとゲートだぜ。」
僕達はあのグリー=ゴールニックに助けられたようだ。ラインスパークにとにかく戻る事にした。
「ルイスく〜ん☆大丈夫?怪我とかはない?」
ラインスパークで僕達を待っていたのは案の定ナナミとグリーであった。


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